OMソーラーの効果について

関西地方で、OMソーラー住宅を建築しました。10年以上OMソーラー住宅に住んでいる私がOMソーラーの住み心地をご紹介します。

  • OMソーラーの効果って実際のところはどうなの?

このような疑問について、実際の温度データを紹介しつつ、OMソーラーの効果について、私個人が感じることをお伝えしたいと思います。OMソーラーを検討中の方に参考していただけると嬉しいです。

まず、結論から言いますと、

効果としては、我が家においては、春先、晩秋の肌寒い時期がいちばん効果を発揮していると感じます。屋外はまだ肌寒い時期に、家の中はほんのり暖かいため、イメージとしてはOMソーラーの我が家は、屋外より早く春が来て、屋外よりゆっくり冬が訪れるという感じです。

強烈に暖かい!というよりは、ほんのり暖かいという感じでしょうか。

それでは、まず、OMソーラーのしくみについて、みていきましょう。

OMソーラーとは

OMソーラーのしくみについては、公式のOMソーラー株式会社のHPで以下のように紹介されています。

冬のしくみ

OMソーラー製品の基本的な仕組みは、屋根に設置した集熱パネルで太陽熱を取り込み、その空気を下に送ることで床下を温めます。暖かい空気は上昇するという熱の特性を活かし、効率的に無駄なく、足元から家全体を快適で優しい温度にしていきます。
これにより1階や2階、脱衣所やトイレなど部屋間の温度差がなくなるので寒さを我慢して部屋移動する必要もなく、開放的な吹き抜けなどでも快適に過ごすことができます。
さらに通常のエアコンであれば暖房する時は定期的な換気が必要ですが、OMソーラーは太陽熱で暖まった空気で暖房しながら家の換気も同時にするので、定期的な換気の手間も省くことができます。

【公式】OMソーラー株式会社 より

夏のしくみ

屋根で温めた空気を小屋裏から排気します。主に春から秋にかけて、温められた空気を使ってお湯を沸かします。お湯の温度は、約300Lの貯湯槽に貯めた水が、約50℃になります。浴槽にお湯を張ったり、シャワーに使えます。夜間には、地域にもよりますが放射冷却を利用して、冷めた空気を取り込みます。夜間に窓を閉め切っていながら換気をしています。
※地域により放射冷却の程度は異なります。

【公式】OMソーラー株式会社 より

OMソーラー株式会社のHPにあるように、OMソーラーには主に以下のような機能があります。

  1. 屋根の集熱パネルで集めた太陽熱をダクトを通して床下に送り、床下から温める
  2. 暖房と同時に換気ができる
  3. 太陽熱を利用して、春から夏はお湯を沸かすことができる
  4. 夏の夜間は放射冷却を利用して、窓を閉めたまま冷めた外気を取り込むことができる

このほかに、発電機能があるタイプや冷房機能があるものもあるようですが、我が家の場合は、いちばんシンプルな、1.暖房と2.換気、4の外気取り込みのみの機能のものを採用しています。

以上を踏まえまして、早速我が家のOMソーラーによる温度データをご紹介します。

実例

それでは、我が家のOMソーラーの効果をデータとともに紹介したいと思います。OMソーラーのリモコン内には、1年間の温度データが保存されるので、我が家の立地や構造の条件のもと、どれくらいの暖房効果があるか参考にしていただければと思います。

我が家の条件

  • 居住地:関西地方
  • 構造:木造 平屋建(2LDK)
  • 床面積:約81㎡
  • 土地の方角:北向き(南側に庭があり、集熱パネルが南に向けて設置されています)
  • シーリングファンを利用
  • 暖房はガスストーブ1台

以上の条件下で、我が家のOMソーラーの暖房効果を以下に示します。

冬のデータ

日付時刻室内温度(℃)外気温度(℃)日照時間(h)備考
2023/12/24 6:00:00164
2023/12/249:00:00195
2023/12/2412:00:0018100.7
2023/12/2415:00:0020101.0
2023/12/2418:00:001971.0
223/12/2421:00:00224ストーブ利用
2023/12/2500:00:00213
2024/1/1 6:00:00188
2024/1/19:00:001890.0ストーブ利用
2024/1/1 12:00:0020120.8
2024/1/115:00:0020100.2
2024/1/118:00:00229ストーブ利用
2024/1/121:00:00216ストーブ利用
2024/1/2 0:00:00214
2024/2/56:00:00175
2024/2/59:00:001950.02/5は雨でした
ストーブ利用
2024/2/512:00:001660.0外出
2024/2/515:00:002060.0ストーブ利用
2024/2/518:00:002060.0ストーブ利用
2024/2/521:00:00216ストーブ利用
2024/2/600:00:00225
*日照時間は、1時間の値(気象庁データより)

比較的どなたでも思い出しやすい日かなと思い、クリスマスイブ(12/24)とお正月(1/1)のデータを取り上げてみました。

我が家では、冬の暖房はガスストーブ1台のみです。12/24は、天気も良く暖かかったので、日中はストーブなし、OMソーラーのみで過ごせました。

1/1は朝と夕方にガスストーブをつけました。正月は、朝はガスストーブをつけますが、最近は暖かい正月も多いので、晴天の場合は、正午から15時頃はストーブなしで過ごす年もあります。

2/5は雨の日のデータです。雨の日はOMソーラーの効果はあまり感じられません。朝と昼以降にストーブを利用しました。

夏のデータ

日付時刻室内温度(℃)外気温度(℃)日照時間(h)備考
2023/7/216:00:0028260.1梅雨明けが宣言された日
2023/7/219:00:0028301.0外出
2023/7/2112:00:0029351.0外出
2023/7/2115:00:0030351.0外出
2023/7/2118:00:0030341.0外出
2023/7/2121:00:002930冷房
2023/7/2200:00:002828冷房
2023/8/15 6:00:0028270.0台風接近のため大雨
2023/8/159:00:0028270.0台風接近のため大雨
2023/8/15 12:00:0028260.0台風接近のため大雨
2023/8/1515:00:0027270.0台風接近のため大雨
2023/8/1518:00:0027270.0
2023/8/1521:00:002827
2023/8/16 0:00:002826
*日照時間は、1時間の値(気象庁データより)

夏のデータのうち、7/21は私の住む地域で梅雨明け宣言がされた日です。日中は35度越えの厳しい暑さでした。この頃は、就寝時に冷房を使うので、起床時は、窓を開けないほうが涼しさを保っています。(起床時はタイマーで冷房が切れるようにセットしています)

日中は外出していたため、室温も上昇しています。帰宅後、室内空気の排気をして、冷房をつけました。

8/15は台風接近のため、一日中雨でした。夏の雨の日の参考にデータを取り上げました。日照時間がなく、台風のためか外気温もあまり上昇しない日でした。

個人的な感想としては、夏の冷気取り込みは、猛暑日が続く真夏にはあまり感じられません。ただ、日中に外出し、帰宅後の熱気のこもり方は、(以前住んでいた中古戸建住宅に比べて)断然、快適です。

(以前住んでいた家では、帰宅して家に入ってからも、大量に汗を流しながら、窓を開けてこもった熱を追い出していました。)

春のデータ

日付時刻室内温度(℃)外気温度(℃)日照時間(h)備考
2023/3/4 6:00:00173
2023/3/4 9:00:001971.0ストーブ利用なし
2023/3/4 12:00:0021140.8ストーブ利用なし
2023/3/4 15:00:0023151.0ストーブ利用なし
2023/3/4 18:00:0022130.6ストーブ利用なし
2023/3/4 21:00:00219ストーブ利用
2023/3/1500:00:00228
*日照時間は、1時間の値(気象庁データより)

3/4のデータです。2023年の3月は暖かい日が多く、この日の日中はストーブなしでも過ごせる室内温度でした。

この時期は充分な日照があると、OMの暖房効果が高くなり、ストーブを利用しない日が増えてきます。OM効果がない雨の日や、寒の戻りの日など寒さを感じる日はストーブを利用しています。

秋のデータ

日付時刻室内温度(℃)外気温度(℃)日照時間(h)備考
2023/11/196:00:001811ストーブ利用なし
2023/11/199:00:0020130.5ストーブ利用なし
2023/11/1912:00:0019140.4ストーブ利用なし
2023/11/1915:00:0021151.0ストーブ利用なし
2023/11/1918:00:002013ストーブ利用なし
2023/11/1921:00:002213ストーブ利用なし
2023/11/2000:00:002213ストーブ利用なし
*日照時間は、1時間の値(気象庁データより)

11/19、秋のこの日は、来客があった日です。天気は薄曇り、午後から日照がありました。

我が家の床は無垢の木なのですが、スリッパなしで上がられたゲストは、床暖房ですか?と質問されていました。

無垢の床材ですが、冷たくならないところがOMソーラーの効果を感じられるところの一つだと思います。(以前は住んでいた中古戸建住宅は、晩秋から初春の廊下はスリッパなしでは歩けないほど冷たくなっていました。)

例年、我が家では12月の初めころからストーブを利用し始めます。

その他

脱衣所やトイレもほんのりと暖かいため、リビングなどの常に生活する部屋との温度差が少ないです。我が家では、季節や天候によっては、設置された吹き出し口から暖かい空気が昇ってくるのが感じられます。

雨の日などは、屋外の屋根のある物干しに洗濯物を干すよりも、脱衣所の吹き出し口の上につるして干すほうが早く乾くこともあります。

シーリングファンのこと

OMソーラーの効果だと思うのが、部屋全体が暖かいということです。

OMソーラーで部屋全体に暖かい空気を行き渡らすために、我が家は吹き抜けの構造になっており、部屋の上にたまった暖かい空気をかき混ぜるためのシーリングファンがついています。

シーリングファンの回転は、冬は、風の寒さを感じないように、風向きは下から上に、夏は、上から下にと調整できます。

住まい手としての感想

住まい手としては、OMソーラーの効果については、以下のように感じています。

暖房効果としては、

  • 日照時間に影響されるので、日当たり良く、日照時間が長い地域においては、効果的
  • 住居空間の狭い住宅に関しては、比較的効果がでやすい(建物の形によっては、OMソーラーの効果が出にくいこともあるそうです)
  • 特に、洗面所やトイレなど、狭い空間では効果を感じる
  • 床が冷たく感じることがない
  • 部屋の温度差が少なく、全体的にほんのりと暖かい

夏の冷気取り込み効果としては、

  • 冷気取り込みに関しては、真夏はあまり大きな効果は感じられない
  • ただ、閉め切った状態でも熱のこもった感じはそれほど大きくない(換気の効果)

まとめ

私が建築をお願いした工務店さんでは、住宅を建てようとしている地域では、日照時間がどれくらいあるか、また予算面が不足しそうな時には、OMソーラー効果を考えつつ、集熱パネルの数を少し減らすなどして、予算に見合うよう調整していただけました。

建物の間取り、日照条件、地域差、などにより、OMソーラーの機能が発揮できるかどうかは、違うようです。

住宅建築を依頼する工務店さんに、そのあたりをよくご相談されることをお勧めします。

OMソーラーを検討されている方に少しでも参考になればうれしいです。

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